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診療科目 |
骨折
骨折とは、骨組織に発生した連続性の異常をいう。骨組織の連続が、ある部分において離断された状態をいう。
1.骨折の頻度
前腕骨、肋骨、下腿骨、鎖骨、手、上腕骨、大腿骨、頭部、足、膝蓋骨、胸骨、肩甲骨、脊椎、骨盤の順である。
部 位 | 頻度(%) | 部 位 | 頻度(%) | |
頭蓋骨 | 1.42 | 鎖 骨 | 15.19 | |
顔面骨 | 2.44 | 上腕骨 | 7.48 | |
脊 柱 | 0.33 | 前腕骨 | 18.88 | |
骨 盤 | 0.31 | 手 | 11.05 | |
肋 骨 | 16.07 | 大腿骨 | 6.39 | |
胸 骨 | 0.09 | 膝蓋骨 | 1.30 | |
肩甲骨 | 0.86 | 下腿骨 | 15.53 | |
足 | 2.66 |
※男は女の4.5倍。20〜40才男子に多い。老人になって増加、老人は女が多い。
幼少年は上肢が多く、老人は下腿が多い。
2.骨折の発生原因
健康な骨に強大な外力が作用し、その外力の程度が骨の抵抗力を超え、骨に損傷を与えた状態をいう。通常、骨折といえば、この外傷性骨折をさすものである。
骨の強度(骨折を起こす重量、単位はKg)
部 位 | 横 圧 | 屈 曲 | 長軸圧 | 捻 転 |
上腕骨 | 850 | 276 | 600 | 40 |
橈 骨 | 525 | 122 | 334 | 12 |
尺 骨 | 550 | 125 | 290 | 8 |
大腿骨 | 1,300 | 400 | 756 | 89 |
脛 骨 | 600 | 400 | - | 48 |
腓 骨 | 300 | 45 | - | 6 |
鎖 骨 | - | 100 | 192 | 8 |
脱臼
脱臼とは、関節頭が関節窩を逸脱して位置を転じ、関節が完全または不完全に離脱して、関節面の生理的相対関係が失われたものをいう。
肩関節 | 50% | 股関節 | 3% | 顎関節 | 3% | ||
肘関節 | 27% | 膝関節 | 1.7% | 胸鎖関節 | 2.5% | ||
手関節 | 0.2% | 膝蓋骨 | 2.2% | 肩鎖関節 | 2.5% | ||
遠位橈尺関節 | 0.5% | 足関節 | 0.5% | 脊椎 | 1.3% | ||
中手指節関節 | 0.7% | 中足趾節関節 | 0.7% |
1.脱臼の頻度
骨折は1/3、000人、脱臼は1/14、000人で、骨折のほうが遥かに多い。
年齢別では20才〜50才(青壮年)男子に多発する。性別では、男3〜5対女1の割合で男に多い。
下顎脱臼は、男1対女4の割合で中年の女に多い。
脱臼の部位別頻度
2.脱臼の原因
1)介達外力
外傷性脱臼の大部分を占める。関節に正常範囲を超える運動が強制された場合、又は異常運動(その関節の運動性と異なる もの)が強制された場合、関節窩縁の一部や骨突起部あるいは関節嚢・靭帯等が支点となり、骨頭がそこから逸脱する。従っ て関節突起などの骨折を伴うことが多い。
2)直達外力
比較的少なく、この場合は骨折を起こしやすい。肩・膝・手足関節に多く、外力の加わった反対側の関節嚢が破れて、更に外力の持続する儘に骨頭がそこから逸脱する。従って関節突起などの骨折を伴うことが多い。
3)筋の牽引
欠伸、抜歯などの開口による顎関節脱臼・物を投げる時、肩や肘の脱臼を起こすことがある。
3.小児の肘内障(小児橈骨頭亜脱臼)
[原因]
2〜6歳の幼小児において、手を強く引っ張ったときに起こる。
[症状]
突然号泣し、上肢を弛緩性に下垂し、前腕を回内位として動かさず一見麻痺したようである。外見上肘関節の腫脹、変形なく、橈骨頭に前方から指圧を加えると痛がる。レントゲン像には変化なし。
※早朝、深夜、休日にかかわらず連絡して頂ければ整復します。
打撲
1.関節打撲
打撃、衝突、墜落等の鈍体の強打によって関節に挫傷を受けたものをいう。直達外力により関節が直接損傷されるものと、介達的に外力が関節に加えられるものとがある。(例えば、高所より墜落して足低を打ち、間接的に足関節を打撲したり、大転子部打撃によって股関節を打撃するようなもの。
2.関節以外の打撲
鈍物体の外力作用により、軟部組織を骨面に向かって圧迫し、あるいは圧搾されて軟部挫傷を来し、その軽重により差がある。通常皮下溢血、血腫等を生じその重傷のものは骨質をも圧挫して骨挫傷となり、骨膜を挫傷するときは骨膜下に血腫を形成する。
捻挫
暴力的に過度の関節運動やその関節に不可能な運動が強制された為に、関節嚢や靭帯が挫断され、しかも関節体相互の関係が正常位に保たれているもの言う。
一方に制限された可動性をもつ関節、例えば膝、足関節等は捻挫を起こしやすく、自由な可動性を持つ肩、股関節では捻挫は起こりにくい。
[症状]
受傷関節に激痛を発する。単に関節嚢の伸長に過ぎないときは数分で疼痛は去るが、関節嚢・靭帯の裂傷あるいはそれ以上の損傷を伴うときは、包帯後でも疼痛は存続する。受傷直後数時間以内に関節内外の出血により関節の腫脹著明となる。疼痛は捻挫位を取らせると増悪する。靭帯断列または剥離骨折がある部位には皮下溢血を呈す。靭帯断列があれば、異常な関節可動性を示し、限局性圧痛著明なものはレントゲン撮影により骨折があるかないかの確認を要す。
挫傷
軟部組織(主に筋肉)に傷を受けることをいうが、所謂肉離れのこと。背中(肩甲骨の内側)やふくらはぎの挫傷が多い。